「私的」近代哲学用語集・入門編 1996.10.20

形而上学
 雅語で叙述したSpeculative Fiction。
・コギト
 隠れ無神論者が配布した免罪符。
・人間
 デカルト(1596-1650)が発見し、フーコー(1926-1984)やデリダ(1939- )がトドメを刺した不死身の超越者。時に「われわれ」という別名で語られる。
・ゴトー
 われわれの創作物。1889年に、ニーチェトリノの広場で首に抱きついた馬の名前。1900年に、ニーチェと一緒にワイマールに葬られた。
・現前
 一般に脳のシナプス群がなんらかの刺激によって励起していること。
・認識論
 目の前の「ゴミ」は「ゴミ」だ。という当たり前のような説。しかし、証明するには、常に第三者の証人が要請される。
現象学
 少なくとも「私」の目の前の「ゴミ」は「ゴミ」だ。という説。しかし、証明するには、常に、、、。
・志向性
 前後不覚になるほど酒を飲んだときの意識は、「ぐでんぐでん(についての)意識」である。というような言い回し。
・超越的
 ヒトが厚さ300cmの鉛の板に全力疾走でぶつかると約3億回に一度の割合で通り抜け(ら)れるという「ヒト・トンネル効果」的。
・超越論的
 「ヒト・トンネル効果」の信憑性を肯定的に問題にする時に使用する形容動詞。
独我論
 「私」が、第三者の証人を兼ねるとする超越論的立場。(認識論の項目参照)
・解釈学
 不倫の現場を目撃された妻の言い訳を聞く芸能レポーターの態度。
・存在的
 ここに「ゴミ」がある。ということ。
存在論
 ここに「ゴミ」がある。とはどういうことか。ということ。
存在論的差異
 ここに「ゴミ」がある。とはどういうことか。について、設問する際と答える際に生じる根源的な意味のズレ・ブレのこと。
・世界−内−存在
 説明しづらいことは全て所与とするハイデガー(1839-1976)の概念。または、単にハイフンの規範的な用例。
・無意識
 無意識は言語構造である。言語構造は他者である。よって、無意識は他者である。のような安易な誤謬推論の「である」にそれぞれ×印を付けること。
実存主義
 日本シリーズで、巨人または巨人以外のチームを「応援」すること。
神秘主義
 ともあれ、毎日風呂に入ること。らしい。
構造主義
 熱帯の極楽鳥を剥製にして分析すること。
ポスト構造主義
 剥製の極楽鳥と「はくせいのごくらくちょう」の違いを問題にすること。恐らく21世紀初頭には、プレ・ハブとも呼ばれるネオ懐古主義的建築法。
・ポトラッチ
 別に好きでもない相手に貢ぎ倒して思いっきり不幸になった振りをする嫌がらせの一種。
・哲学的言質
 せっかく洗浄し空にした器に、合成した汚水を入れる手順の説明。
・言葉
 「言葉の意味はその用法である」「私の言葉の限界が、私の世界の限界を意味する」とか。
.
「追記」
 オリジナルではない。一部明らかなパクリもあるようだ。今、通して読み返すとそれなりに面白いとは思う。所々訂正したい気もする。言い訳かな? 9年前は、誰しも今より9歳若かった訳だ。その後、時折は、結構真剣にその手の本を読み込んだはずだが、悲しいかな(いや、内心、全く悲しんではいない)さほど前進したとは思えない。
.
 個人個人の考え方感じ方というものは、そのベースは、おそらくは幼少期に決定してしまうのだろう。ある種の本を読んで感銘を受けて、とか、なんとかセミナーの受講直後には、気持ちが高揚していることがあるが、(そんな経験をしたことがある。)その後、日常生活を経ているうちに、元の木阿弥になる。
.
 かつて、斜め読みした「実存主義」てのは、何だったのだろう? と今思い返すなら、生きている限りは、その一瞬一瞬に己のあり方を選択しているんだぞ、と言うようなことなのだろう。しかし、今日日、その手のヒロイズムにどっぷり浸れうる輩は、ほんの一部であろう。だが、明日、私が目覚めて、昨日とは違った、かつ、少しでも生産的なことが出来るならば、ささやかなものであれ、それを良しとしよう。