追憶

 録画で映画「追憶」を観た。WW2後のハリウッドでのマッカーシズムの嵐が題材。米国にもコミュニストがいた訳だ。(ウォーレン・ベイティの映画「レッズ」はWW1の頃の話だったか。)バーブラ・ストライサンド演じる生真面目過ぎる主人公は、ラストで「原爆禁止」のビラを配っていた。何やら切ないエンディング(の歌詞)だった。
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 共和党ブッシュ再選阻止が目的という「華氏911」が話題になっている。3年程前、土曜日の午前ではなかったか。2機目が陰のビルに突っ込む場面をリアルタイムの衛星中継で観ていた。特撮の1場面であるかのように。
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 原爆投下の命令を下したトルーマン大統領は確か民主党だ。ゴア大統領だったら、イラク戦争に踏み切らなかっただろうか。ファルージャの虐殺(都市を包囲し懲罰的空爆)やイラク人捕虜虐待事件は起こらなかっただろうか。
 9.11は、危機管理(体制)がしっかりしていれば防止できた災害の類だろうか。米国の指導者層には、根本的根元的な「想像力の欠如」とやらがあるのではないか。
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 米国の良心は、数年後、どのようなイラク戦争映画を創るのだろうか。
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「追記」
 世の中はそんなに単純ではなく、米国には、政軍産複合体と各種ロビースト、米国内に抱える貧富の問題、イスラエルパレスチナ問題、等がある。米国が始めた「テロとの戦い」と称するアフガン戦争、イラク戦争には、米国が米国であり続ける限りでの不可避性必然性が見え隠れする。超大国の威信の回復と石油利権の確保、米国中心主義(「炭焼きの信仰」に基づく絶対的善意)。
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 戦後の冷戦下で、日本は、米国の軍事力の傘の中(半植民地状態)で復興し繁栄した。日米同盟関係の重視を強弁する識者らの念頭にあるのは、この歴然とした事実認識だろう。WW2の前と後で変容したのは日本人の世界観に過ぎず、欧米各国ことに連合国の指導者層の世界観は、WW2以前の列強のそれと何等違いはない。
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