徒然草 第85段

 人の心すなほならねば、偽りなきにしもあらず。されども、おのづから正直の人、などかなからん。己すなほならねど、人の賢を見て羨むは尋常なり。至りて愚かなる人は、たまたま賢なる人を見て、これを憎む。「大きなる利を得んがために、少しきの利を受けず、偽り飾りて名を立てんとす」と謗る。己が心に違へるによりて、この嘲りをなすにて知りぬ、この人は下愚の性移るべからず、偽りて小利をも辞すべからず、仮にも賢を学ぶべからず。
 
 狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。驥(き)を学ぶは驥の類ひ、舜(しゆん)を学ぶは舜の徒なり。偽りても賢を学ばんを、賢といふべし。

 某掲示板の話題で、古典の徒然草に言及している人がいた。「狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。」 鎌倉時代の末期、1330年頃、数百年も前の随筆の言葉が、とても新鮮に思える。

映画「セイヴィア」

 "SAVIOR"は、救世主の意味とのこと。赤ちゃんが、とても可愛い。
 不覚にも、後半の後半からは、目から鼻水ボトボトになったのだが、ふと思うのは、主演の俳優が、デニス・クエイドではなく、例えば、「ハートロッカー」の主演俳優のような(不敵な?)面構えだったら、かなり、印象が違っただろうと。

小泉進次郎氏の演説の迫力

 USTREAMで、昨日(5/21)、埼玉県川口市での参院立候補者への小泉進次郎氏の応援演説の動画を観た。
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「ShindoYoshitaka ライブ  08:24pm PST 05/21/2010 in Kawaguchi, Saitama, Japan」
http://www.ustream.tv/recorded/7107522
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 駅前の大観衆を前に、堂々と自説を述べる小泉Jrの演説ぶりとその内容に、感嘆する程の大物と思った。小泉元首相は、国会での質疑では時に強引な詭弁を弄することを厭わないタイプだったが、小泉Jrは、正攻法で語る本格的な大物のようだ。演説で昨今ネットを賑わした強行採決での経緯にも触れていたが、民主党の三宅某のダイブには言及せず、中堅若手にスポットライトを譲る自民党のベテラン議員たちという図式で生まれ変わりつつある自民党をアピールしていた。参院の存在意義は、衆院のチェック機能であり、かつての衆参のネジレと違い、今や超党派で解決しなければならない日本の現状の解決の為に、参院選では自民党を勝たせろというようなことを熱く切々と訴えていた。
 自民党のポスト谷垣は、石破茂氏が相応しいと思うが、いっそ小泉進次郎総裁で良いのではないかとさえ思う。
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 ある時事の話題が、某巨大掲示板などのネットで書き込みが多く話題になっているということは、多くの人たちが興味を持っていて、かつ、突っ込みどころ満載ということ。地上波テレビの視聴率が落ちているのは、ネットが普及したからではない。テレビを含むジャーナリズムが、当たり障りの無い「パンとサーカス」的な報道ばかりを続け、時事の旬の話題を取り上げ正面から報道しないからだ。

第20回世界コンピュータ将棋選手権 決勝

 激指の優勝で終わった。ただ、大会を通じての真の勝者は、激指と勝ち数で並んだ習甦(シュウソウ)だと思う。
 習甦が残した棋譜を下手の横好きが見る限り、中終盤の攻防を見切って、長手数の詰みを仕掛ける様は、谷川九段の棋風にも似ている。
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 予選全勝のボンクラーズが、決勝の午前の対局で、連敗した相手が、二次予選では勝った相手の習甦と激指だった。
 ボンクラーズが、決勝向けの調整に失敗したとかの実況スレでのコメントを観たが、逆なのではないかと思う。
 二次予選でボンクラーズに敗れた激指と習甦が、敗因を分析し、何らかの対策をして、決勝戦で勝つことが出来たのだろう。
 見た目はともかく、天才たちの戦いなのだ、ろう。

第20回世界コンピュータ将棋選手権

 終日、二次予選をネット観戦した。ただ単に対戦相手の時間切れを目指すという「稲庭将棋」の割り切ったコンセプトに感心した。結果として、「稲庭将棋」は精彩なく敗退したが、二次予選を全勝で突破し、案外、決勝も勝ちきるかも知れない「ボンクラーズ」(ボナンザの思考エンジンを、クラスタ(分割処理)化して読みをより深化することを可能にしたソフトとのこと)よりも、快挙とさえ思う。
 前年の覇者で決勝シードのGPS将棋は、疎結合の分散コンピュータ的な手法で圧倒的な物量作戦を取るらしい。同じく決勝シードの本家ボナンザは、合議制の文殊のロジックを洗練させた合議制とのことだが、、、、、、明日、二次予選全勝の「ボンクラーズ」が、決勝シードの各ソフトに対しても圧勝するのか苦戦するのか興味がある。
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 と言うことで、(既出かもしれないが、私の最短手数。)
「対ハム将棋 急戦三間飛車 その3」

▲7六歩 △3二金 ▲7五歩 △3四歩 ▲2二角成 △同 銀 ▲4六角 △3三銀
▲7四歩 △6二銀 ▲7八飛 △7二飛 ▲7三歩成 △同 銀 ▲同角成 △同 桂
▲7四歩 △6五桂 ▲7三歩成 △5二飛 ▲7二銀 △5七桂成 ▲6一銀成 △同 玉
▲6三と △8二飛 ▲7二歩 △7七歩 ▲5二金
まで29手で先手の勝ち 

映画「善き人のためのソナタ」

 東ドイツ末期の国家保安省(シュタージ・公安警察)の実務担当のベテラン職員が主人公。一見の価値あり。と言うより絶賛したいのだが、適当な言葉が見つからない。主人公のヴィースラー大尉を演じたウルリッヒ・ミューエには、ケヴィン・スペイシーと見た目以外にもどこか同じような独特の雰囲気(存在感?)がある。